みなさん、こんにちは。 アプリマーケティング研究所、iPhonePLUS出張所です。今週は、個人開発者「Akerusoft」の久保谷さんのインタビュー記事をお送りします。

logo_akerusoft_full_w600

Q:アプリ開発はどのくらいやっている?

久保谷:iOSは2013年の5月頃に始めました。全部で10本ぐらいですが、ジャンルはバラバラです。カジュアルゲームが中心ですね。元々ソフトウェア会社で働いていたのですが、独立をして、受託はやらずに自社アプリ一本で個人でやっています。最初は本当に貯金を切り崩しながらという感じでしたね。

Q:一番うまくいったゲームは?

久保谷:絶品!ウマすぎカフェ」(iTunesリンク)という経営シミュレーションゲームです。一度作り直したこともあり、開発期間は半年以上かかってしまいました。アプリはイラストも含めてひとりで作っています。

umasugicafe01

※カフェを再建する経営シミュレーションゲームアプリ。放置ゲーム的な要素もある。

Q:「うますぎカフェ」のダウンロードはどのくらい?

久保谷:ダウンロード数は約30万ダウンロードです。iOSが30%でAndroidが70%。半分は実は海外(東南アジア)からのダウンロードです。海外の広告収益はやっぱり日本と比べて低いですよ、クリックじゃなくてCPIで1円とかです(笑)。

Q:AndroidとiOSユーザーの違いみたいなことを感じましたか?

久保谷:収益性が違う気がします。Androidのほうがみんなセキュリティーに気を付けているのか、あまり広告をクリックしない。iOSのほうが気軽に広告を押してくれるので、収益性がいいですね。

Q:1ダウンロード当たりの収益性はどのくらいですか?

久保谷:収益性は、1ダウンロード当たり11円前後です。ただ、今まで作ってきた脱出ゲームやアクション系のミニゲームよりは高いです。

Q:どのように「うますぎカフェ」が出来たのですか?

久保谷:みんなが出来るゲームじゃないと売れないだろうなと思って、テレビ番組を参考にしました。テレビって視聴率ベースで、普遍的にウケる番組を作ってるじゃないですか。それでクイズや料理などが候補にあがって、料理になりました。

Q:経営シミュレーションゲームにした理由は?

久保谷:TeamLavaという海外の会社が「マイ・ベーカリー・ストーリー」というレストラン系のアプリを出してるんです。これが地味に売れていたのを見て「自分でも作れるんじゃないか」と思ったんですね。このゲームは課金ありでしたけど、完全無料で出せばそれなりに売れるんじゃないかと考えました。

Q:「ウマすぎカフェ」でこだわったところはどこですか?

久保谷:経営シミュレーションだとチュートリアルが必要なのですが、実はチュートリアルを一回作り直したんです。というのも、全然ゲームをやらない女性にアプリをさわってもらったら、びっくりするぐらい、こちらが意図してない操作をしちゃうんですよ。エラー通知をボタンだと思って連打したり(笑)。最終的に途中で投げ出しちゃって「これはダメだ」ということで作り直しました。

umasugicafe_iconlist

※アイコンも40回以上作り直したという。

Q:作り直してみて何が大きく変わりましたか?

久保谷:当初のチュートリアルは最初から何でも出来るようにしていたのですが、それを少しずつ階段を上ってもらう感じにして、だんだん出来ることが増えるようにしました。特にゲーマーじゃない人がやるゲームは、予想もしないところでつまづいたりするので、一回アプリが完成したらユーザーに遊んでもらったほうがいいですね。

Q:他に苦労したところはありますか?

久保谷:最初に動かしてみたらすごくつまらなくて……。イベントで会った先輩の開発者さんに「つまらないんですけど、どうしたらいいですかね?」って相談したんですよ。そうしたら、結構アイデアをもらえて、改善することができました。例えば、今はお客さんが「うまいっ!」とか吹き出しでつぶやくんですけど、最初は音符とかで表現していて、どうも面白さが伝わらなかった。キャラのオーバーな表情に関してもそうで、当初は楽しそうな感じがしませんでした。あのまま出してたら、あまりダウンロードされなかったと思ってます。

umasugicafe_ss

※アプリのメイン画面のデザインの変遷。

Q:2作目の「ウマすぎショコラ」で改善したところはありますか?

久保谷:1作目で「キャラが気持ち悪い」って言われたので、2作目の「ウマすぎショコラ」(iTunesリンク)ではキャラを可愛くしてみたら、女性には評判がよかったですね。でも逆に可愛過ぎるせいか、子ども向けみたいになっちゃって。男性ユーザーは離れたかわりに、女子中学生くらいにはウケているようです。

Q:個人アプリ開発は楽しいですか?

久保谷:やっぱりゼロから自分のやりたいように作れるのは楽しくて、そこがすごく気に入っています。不安はありますけど、会社員時代より年収は落ちたとはいえ生活は出来ています。

Q最後に告知などがあればお願いします。

久保谷:「ウマすぎカフェ」ではコラボなど募集していますので、もし興味がありましたら連絡をください。アプリでもいいですし、ゆるキャラなどを「うますぎカフェ」に登場させるような取り組みもおもしろいかもしれません。

140715_001a絶品!ウマすぎカフェ
App Store価格:無料
Junji Kuboya
(価格は記事作成時のものです)

 

 

取材協力:Akerusoft

■編集後記

 これだけクオリティの高いアプリでも大きく収益は出ていないのだな、というのが感想です。単純計算ですが、30万ダウンロードで1ダウンロードあたり11円の収益だと計330万円。開発期間に半年以上かけているわけで、個人だからやっていけるという感じでしょう。

 でも結局、最終的にはオリジナルでコンテンツを作成できる力に集約されていくので、流行りに乗ってコピーアプリを乱発しているよりは、Akerusoftさんのようにノウハウやリソースを積み上げていくスタイルのほうが未来は明るいし、選択肢が広がるはずです。ただひとつ言えるのは、こうしたアプリを作れる人に、もう少しお金が回りやすいようになるべきということですね。

141119_app_bnr2

 

Comments are closed.