サムスン電子の「GALAXY Note」が今話題になっている。このGALAXY Noteはタッチペン(スタイラス)を本体に収納し、手書きメモをはじめ「ペンを使っての操作」を特徴の1つとしている。

 現在のスマートフォンは感圧式のタッチパネルではないので、タッチペンは一般的ではなくなり、スマートフォンのような端末をペンで操作した経験がない人も多くなったが、細かな手書きなどはやはりペンのほうが便利そうだ。

 最近では静電容量式のタッチパネルに対応した汎用のスマホペンもショップなどで多数見られるようになった。そこでスマホ用の汎用のタッチペンを6本、さらにペンが付属するスマホも2製品用意して比較した。

市販の汎用品も多数あるタッチペン

 今回は家電量販店で実際に販売されていたタッチペン6本に加えて、タッチペンが付属しているスマホとして、GALAXY Noteに加えて、富士通製のドコモ「ARROWS Kiss F-03D」も用意した。

プリンストンテクノロジー「Jot Pro」 オウルテック「Touch Wand D-type」 ソフトバンクBB「ストラップ付タッチペン」

ストラップヤネクスト「iCrayon」 テレホンリース「LUMIX Phone専用タッチペン」 サンワサプライ「PDA-PEN28WD」

GALAXY Note SC-05D ARROWS Kiss F-03D

 これら市販のタッチペンのテスト用端末として、画面が大きくタッチの反応も良いau「GALAXY S II WiMAX ISW11SC」とソフトバンクモバイル「AQUOS PHONE 104SH」を利用している。

 今回テストする内容は以下の通りだ

●文字の書きやすさ
Android用アプリの「DrawNoteK-手書き」(無料)を使い小さな文字や大きな文字を書いて比較

●PDFに書き込みして校正
ezPDF Reader」(280円)というアプリを使い、PDFファイルに書き込みをして比較


●さまざまなペンとスマートフォンの組み合わせでテスト

用意したスマートフォンでブラウザーからASCII.jpを表示し、各記事をタッチペンでスクロール、タップしながら読んで比較。

 アプリの場合は初期設定のまま操作している。3のテストではF-03DとSC-05Dのタッチペンも、他のスマートフォンで使用してみた。また操作テスト用の端末としてiPhone 4S、第3世代iPadも加えている。

 用意したタッチペンの価格と特徴については以下の表にまとめた。

  Jot Pro Touch Wand
D-type
ストラップ付タッチペン iCrayon
販売元 プリンストンテクノロジー オウルテック ソフトバンクBB ストラップヤネクスト
購入価格 2770円 1790円 1280円 780円
ペン先 透明ディスク 硬めの丸型筆 丸型ゴム 山型ゴム
その他特徴 磁石付き 長寿命・ペンクリップ付き ストラップ付き カラバリ7色
  LUMIX Phone専用タッチペン PDA-PEN28WD GALAXY Note ARROWS Kiss
販売元(開発元) テレホンリース サンワサプライ サムスン電子 富士通
購入価格 1480円 2060円 付属品 付属品
ペン先 樹脂系硬め 丸型ゴム 樹脂系硬め 樹脂系硬め
その他特徴 ペンクリップ付き 持つ部分が木目調 端末に収納可能 ストラップ付き

 まず「Jot Pro」はペン先に円盤風の透明ディスクが付いている。これで正確に心地よく書けるらしい。「Touch Wand D-tpe」は筆のような毛のペン先になっている。ただこの毛は硬めだ。ゴムタイプのペンより良い書き味が長続きするという。

ペン先の違いがわかる

 ソフトバンクセレクションからは「ストラップ付タッチペン」。ペンの長さは今回一番短いが携帯しやすい。先がゴムタイプのタッチペンは売り場にも多い。「iCrayon」は一見すると本当にクレヨンに見えるが、タッチペンだ。カラバリが多いものの、別に手書きの線に色が付くわけではない。ペン先はゴムだが丸型というよりは本当のクレヨンと同じく、先が比較的尖っている。

 「LUIMIX Phone専用タッチペン」は、P-02D、101P用のタッチペン。今回はこの2機種がなく、他機種では使えないとの説明だが、タッチペンなら他のスマホでも使えるのではと思い、あえて使ってみることにした。ペン先は樹脂で硬く、先が尖っているので一見細かい字が書きやすそうに見える。「PDA-PEN」は太い形状のタッチペン。ただしペン先のゴム部分はソフトバンクのストラップ付タッチペンに近い。

 これらにGALAXY Noteに付属のSペン、ARROWS Kissのタッチペンを加えた。この2本のペンは先端が樹脂製のようだ。それではテストの結果からどんな書き心地、使い心地か見ていこう。

細かい文字を書けるのはJot
ゴム系も意外な書きやすさ

 まずは手書き文字を比較。「あした」「アシタ」「明日」と書いていく。最初の「あした」はなるべく小さく書くように心がけた。まず書きやすさではJotとGALAXY NoteのSペンが実に滑らかな書き心地で、小さな字も書ける印象だ。Jotはペンのサイズもあって通常のボールペンなどの書き方に近い。ディスク部分が気になるかと思ったが、とくにそんなことはなかった。Sペンはさらに小さな字も、丁寧に操作すれば書けた。

  Jot Pro Touch Wand D-type ストラップ付タッチペン iCrayon LUMIX Phone専用タッチペン PDA-
PEN
GALAXY Note ARROWS Kiss
文字入力

 Touch Wandや先端部がゴムのペンは、ペン先が隠れてしまい、細かい字を書くのは不得意だ。たくさんメモを書き連ねていくには不安だが、一言二言画面にサッと書くくらいなら十分こなせる。ソフトバンクのストラップ付タッチペンは手に持つ部分が短く、どうしても長く使うには疲れてしまう。逆にPDA-PENは持ち手が太く握りやすいが、こちらもペン先が隠れてしまい、細かい文字を書くのは難しい。

左がJotで、右がGALAXY Note。ともに比較的キレイに文字が書ける

 iCrayonは意外なほど細かい字が書ける。見た目はペン先が太いものの、丸型ゴムのように書く場所をあまり隠さないのもよい。ただし書く際に先端部分の押し加減が難しい印象だ。LUMIX Phone専用タッチペンは、GALAXY S II WiMAXや104SHでは反応しないため、ARROWS Kissを使った。対応端末ではないためか、ぎこちない反応できれいに字を書くことや小さい字は難しい。

iCrayonもペン先の太さの割には文字が書きやすかった

 そのARROWS Kissタッチペンは、手描きのイラストなどに向いているのか、文字の書き心地はイマイチ。反応がもう少しスムーズだとよいのだが。サッと書くのではなく丁寧にゆっくり書く必要がある。またJotとGALAXY NoteのSペン以外は、画面の端で書くのは苦手で、なるべく文字は画面中央で書くと反応がスムーズだ。

PDFに修正の指摘を入れる
やはり2本のペンが抜群

 PDFの校正では「○」「×」と「矢印」「アンダーライン(二重線)」、さらに画数の多い文字の書きこみを行う。ここでもJotが書きやすく、自分で思った通りに書き込みができた印象だ。スマートフォンを指で操作するだけでは、あまり大きな字を書けず、文字と文字の間にアンダーラインを引くのも一苦労だが、Jotはその不安が無い。

  Jot Pro Touch Wand D-type ストラップ付タッチペン iCrayon LUMIX Phone専用タッチペン PDA-
PEN
GALAXY Note ARROWS Kiss
PDF修正

 ただしそれ以上に書き込みがしやすかったのは、やはりGALAXY NoteのSペンだ。これはGALAXY Noteの画面の大きさもあったが、Jotよりも小さな字を書ける。画数が多くても心配がない。

 Touch Wandはペン先の太さが、アンダーラインのずれにつながったが健闘している印象だ。PDA-PENは手書き文字のテストのときよりも、反応が良い印象だ。細かい字を書くのはどうしても難しいが、アンダーラインの位置など、書きたい場所できちんと反応している。ARROWS Kissのタッチペンは端末に付属するものなのに反応にイマイチな部分があり、表では△とした。

左がJotで、右がARROWS Kiss。ARROWS Kissのペンはお絵描き用が前提なのか、基本的には文字が書きにくかった

画面が精細過ぎてもタップが難しい
大画面のタブレットとは相性よし

 続いては、計6台の端末でタッチペンをそれぞれブラウザを操作して比較してみる。まずはGALAXY NoteのSペンはGALAXY Noteでしか使えない。完全に専用品である。ARROWS Kissのタッチペンも同様。LUMIX Phone専用タッチペンもARROWS Kiss以外では反応しなかった。これもやはり専用品なのだろう。

  Jot Pro Touch Wand D-type ストラップ付タッチペン iCrayon LUMIX Phone専用タッチペン PDA-
PEN
GALAXY Note ARROWS Kiss
GALAXY Note × ×
ARROWS Kiss ×
ISW11SC × × ×
104SH × × ×
iPhone 4S × × ×
第3世代iPad × × ×

 端末自体の処理速度の違いもあるが、タッチペンが使いやすい端末はあるようだ。とくに新型iPadは画面が大きく、記事の見出しをタップするときも文字が大きいので押しやすく、タッチペンとの相性はかなりいい。ほかにも◎にしている組み合わせはスクロールがスムーズで、記事をタップして開くのが簡単だった。

 ○にしている端末も十分タッチペンで使えるが、画面スクロールの反応がイマイチなときがある。特にiCrayonはARROWS Kissとは非常に相性が悪く、画面スクロールがなかなか反応しなかった。また画面の文字が小さいとペン先でタップするのが難しく、ペン先が太いタッチペンは不利だ。

専用ペンは他機種ではNG
ペン先・価格・付加機能で購入

 汎用のスマホ用タッチペンの場合、ペン先はよく確認したほうがよさそうだ。ゴム系は多くのスマートフォンで使えるが、書きやすさや使いやすさで満点を取るのは難しい。

 唯一、Jotはペン先に工夫がなされていることで、他のペンよりも明らかに使い心地がよい。その分若干高価で手書きのシーンが多くないと買いにくいだろう。

 ペン先が樹脂系のタッチペンは、その端末専用のペンと考えたほうがよさそうだ。その代わりにGALAXY NoteとSペンの組み合わせは実に使いやすかった。一方、ARROWS Kissは、写真にイラストを描き込むといった遊び用に考えられているのか、本気で手書きをしたときに物足りなさを感じる。

 またペンの長さも重要で、操作の反応がよくてもペン自体が短いと動かしづらい。ソフトバンクのストラップ付タッチペンは少々短過ぎたようだ。買う場合は携帯性と使いやすさをどう判断するかになる。タッチペンにはボールペンが内蔵したものや、ペンクリップでポケットに挿せる場合もあり、付加機能をチェックして選んでもいいだろう。

 

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